ゲルの放浪日記

ゲルの放浪日記

20歳北大生が見たこと知ったことをざっと書いていくブログ

シリーズ韓国放浪記(1)境界のDMZへ

しばらく空けていた間韓国にて旅をしていました。

 

それをシリーズにして投稿したいなとおもいます。

 

1回目はソウルから南北朝鮮の境界近くのDMZの話です。では始まり始まり~

 

 

 ソウルからツアーバスに揺られて北へ進むと当然町から離れて田んぼしかない田舎町になっていきます。そこに現れたのは川に作られた統一大橋という橋。この橋の雰囲気がすでに異様な空気をかもしています。案内人には軍人がチェックするからパスポートを出すようにと言われる。橋の上にはジープとバスをまっすぐ走らせないための障害物が敷かれている。バスはそれをジグザグによけながら進んでいく。停車すると予告どうり韓国軍(国連軍)軍人が一人乗ってきて一人一人パスポートをチェックしていく。これは国境でも国境2kmのDMZでもなくその前の橋でのことです、厳重だ。撮影禁止なので写真はありません。 

 

 異様な雰囲気のまま向かったのは第3トンネルと言われる場所です。北朝鮮朝鮮戦争休戦後に奇襲用に軍事境界線を地下から突破して作ったトンネルで現在4つ確認されているうちの最大の大きさのものです。これもトンネル内は撮影禁止です。脱北者の証言で見つかり韓国側から発掘して確認、現在は北朝鮮側を封鎖して中に入れるようになってます。

 

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上の写真は公開されているトンネルの最奥部を模した観光ボード。これと同じように鉄のドアで封鎖されている。国連軍のボードが笑っているので緊張感が薄い。(なにわろとんねんと言いたくなる。)この他に資料館と映画の上映施設があってそこを回って来ました。この場所はDMZツアーの最初の場所なので朝鮮戦争の歴史や資料が展示されていました。映画は朝鮮戦争については北朝鮮の侵攻からはじまりほぼ全土が戦火にさらされたこと、トンネルについては休戦協定下での奇襲の準備を進めていたことを非難する内容でした。これに加えてDMZが人の入らない自然の楽園となっていることや世界で唯一の非武装地帯となっていること、また困難を乗り越えて南北統一を目指すといった主張が映画の中でされていました。分断と対立の象徴の一つがあるこの場で困難を乗り越えて統一を目指すという主張をすることは心を揺さぶられました。

 

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敷地内にある2つの玉(中にそれぞれ韓国と北朝鮮が彫られている)を合わせようとする人々の彫刻が置かれている。国の監視下にあるこの場所に置かれている意味は大きいと感じた。

 

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次の所へ向かう途中の写真。道路の横の原っぱや森には地雷の存在を示す。どくろのマークの注意看板。DMZが自然の楽園たる理由はこの今も残る地雷も原因の一つ。

 

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次に向かったのは都羅展望台、韓国から北朝鮮の最南部を眺められます。写真で見られるように白い住宅街がありました。これでは見えないですが南北それぞれが国旗を立てています。この旗を立てるための塔の高さの意地の張り合いが両国で行われた結果目視できるほどの高さに国旗がはためいています。

 

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次に向かったのは都羅山。韓国最北の駅です。この駅はソウル駅から56km、北朝鮮側最南の開城駅まで17km、平壌駅まで205kmの位置にあります。2000年6月15日の南北共同宣言の後同年7月31日に両政府が鉄道の連結に合意、鉄条網撤去や地雷撤去が行われ2002年4月11日に都羅山駅が新設され2003年6月14日に軍事境界線において鉄道軌道が連結されたそうです。

 

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駅は立派な設備が整い国境の玄関といった様子ですが施設のほとんどは使われておらず閉められたまま、土産物屋とロビーしか開いていません。鉄道の時刻を示すはずの電光掲示板もこの駅を説明する文章が写されるだけ。この鉄道が通ると韓国から中国、シベリア鉄道を通じてロシアやヨーロッパへの鉄道物流網を繋ぐことが可能になります。将来韓国及び北朝鮮が東アジアの鉄道物流網の中心となることが期待されます。

 

このあと統一大橋で再び検問を受けて臨津閣平和公園へ。この公園は許可を得なくても行くことができます。公園は庭園の他戦争と分断についての平和と統一のいのりの場所となっています。

 

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これはDMZ内に置き去りにされていた朝鮮戦争時の銃弾をあびた機関車です。DMZ内からこの公園に移されて保存されています。これでも錆びを落として綺麗にしてあるそうだ。

 

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DMZのエリア以外にも鉄条網が敷かれており公園の境にも作られています。この鉄条網が無くなることを願い韓国国旗やメッセージが書かれた布がつけられています。

 

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都羅山駅へとつながっている鉄橋。この鉄橋を車両が通った数は少ない。

 

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公園の駐車場の近くにある聖拝壇。後ろの石には白頭山など北朝鮮の風景が描かれています。旧盆に北朝鮮出身の方が故郷と先祖をしのんで集まってくるそうで、それに備えて急ピッチで修繕を進めている様子です。

 

DMZでは朝鮮戦争と今に続く分断の歴史と現状を示す多くの施設を見て回ることができました。その悲劇の知ることだけではなくこの施設郡が、たとえば駅などは将来期待されている平和と交流の架け橋となりうることを知ることができました。DMZはツアー等を予約しないと入ることは出来ないので行きたい方は旅行会社等と確認をしてぜひ行ってみてください。

 

                               おわり

 

過去の旅行記の一部はこちら

 

 宇和島

 

城崎編

 

 

 

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